連作祭壇画無主物
 
釜山制作版

『原発事故避難 残酷な対比三 屋内退避地域』

(二〇一八年二月に釜山にて制作 )

 

この釜山バージョンには、以下のことを付け加えた。

2011年3月15日に

政府が原発から30キロ圏内に対して屋内退避を指示すると、

国交省は民間のトラック業者にこの場所への立ち入りを禁止した。

また、

この指示は、

当時津波堆積物に残された生存者を救出していた

救助活動の一時的な中断も招いた。

2011年の秋に向かった南相馬市。

津波に襲われた場所はただただ荒野となっていた。

転々と見える修復された電柱が荒野に続くその場所で、

一つの小屋が立っていた。

壁には

「思い出の品」

とあらく書かれ、

中を見ると

無数のランドセルがもろもろの品々とともに残されていた。

その部分を描いた。